「日本の中のLGBT」Vol.3

「日本の中のLGBT」Vol.3


「Be visible~見えざるLGBTの可視化を考える~」

著者:にじいろケアプランセンター ケアマネジャー梅田政宏

さて、最終回は、「LGBTとして自尊感情が育まれる時」について言いたいのね。

でも、あら、一体どういうことかしら???ですよね?!

でも少なくともあたしは、自身を肯定するためにこの「自尊感情」をカミングアウトに基づき育む必要があったのですよ。つまりは偽りの自分からの「りぃいンカ~ネ~イショ~ン」でございます(古いかしら(笑)

 多くの皆さんはまだまだ「LGBTの人は周りの知り合いにいないんですよ~」って言います。何故かしら?

実は人口の8パーセント位はLGBTらしいのですが(実際は多くのLGBTの実態調査が未実施で、現段階の調査を参考)そんなにいるのになぜ知り合いにいらっしゃらないのか?不思議よね~~(因みに左利きの方の人口と同じくらいのイメージ)。

でもね、それもそのはず、今までも、そして今現在も当事者自身が、それぞれの社会の中で当事者ではないように振舞ってきたからなのですよ!!ねっ!?ここよ、ここをわかってほしいのよ!!今の日本の男社会の中で、偽った自分、異性愛者の自分を演じてきたのよ、正に主演女優?!(笑)

当然カミングアウトなんて出来たもんじゃあない、むしろ当事者でないように振舞うことを暗黙に強いられ、一般社会に自身を偽り適応してきたと言ってもいいわよ!あたし的には!!(憤)

でも反面、そんな私たちとの人間関係は、勿論私を取り巻いてきた社会は私を同性愛者であるなんて思わないため、人間関係はごく一般的な信頼関係に基づいて作られるのよ。こんな私たちは、偽った人間関係を続けるあまり、ある者は罪悪感を常に伴い、ある者は心を病んで毎日を頑張っているのよ。

んなもんだから、私たちが社会では見えない・言えないのも当然ですよね。

でもね、本当に人間て貪欲ね~って自分でも思うんだけど、苦悩の生活を送りながらも、あちらこちらへ動き回ってちゃっかりと、生涯の伴侶となる「彼」をゲットできたのよ(笑)。そしてこの出会いが私にカミングアウトを促し、今の独立起業に至るきかっけを作ってくれたのですよ。

今から6年前、ゲイを公表し同性のパートナーと共に日本に赴任されていたアメリカ総領事さん「パトリック・リネハン」さんの講演に彼と二人で行った時のことです。前回お話したように、「存在しない、或は見えない存在に与えられる権利は当然存在しない。だからこそ、今ここに私たちは存在する、そして幸せになるために必要な平等な権利を求めている多くの人間がいる」というアピールをするべきだということを改めて聞くことになったわけです。もうその瞬間私は、自分の目から鱗が落ちる音まで聞こえたわ(笑)。それからというもの、私の活動はフェイスブックを見ていただければ一目瞭然でしょう?!。

私たちの多くは愛するパートナーがいても、結婚という制度が同性間に存在しない限り、私たち「夫夫」は所詮男同士の他人の同居でしかありません。

たとえ自分の命よりも大切に思うパートナーであっても、社会からは隠し続けなければならないのです。私たちはこんなにも愛が溢れる家族であるのに、家族になれないのです。多くの仲間が同じように隠し続け、そして嘘、偽りの中で必死にそれぞれの家族を守っているのです。

見えていない故にそこにある私たちの日々の生活も、幸せも、権利もそこには存在しないことになっているのです。

私たちは、人に生まれた幸せを求める権利を獲得するために、何より愛する家族を守るためにこれからの日本で、もっともっと見える存在にしていく必要があると思っています。

この私たちの「可視化」は間違いなく、社会の発展に寄与し、貢献しようと思える自尊感情を育て、社会の発展に必ず貢献できると信じています。これからの時代の流れがどの程度まで発展するか解かりませんが、私たちのような新しい家族も見えない中で必死に頑張っているのです。

「(株)にじいろ家族」は私たちのような多様な家族という意味と、存在が見えることでより地域を繋げ、顔の見える一家族として地域とともに「家族」になれるようにとの思いを込めて作りました。お話したいことはまだまだたくさんありますが、今回は私たちの家族も、皆さまと同じく権利が必要なのよ、だから見える必要があるのよということをお話してきました。

連載にかかります長文にお付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。では今度はぜひとも地域でお会いしましょう(*^_^*)


著者
にじいろケアプランセンター
ケアマネジャー 梅田政宏